【天気の子】感想と評価┃社会の理不尽さと自分の正義を貫く物語

話題になっている新海誠監督最新作「天気の子」を遅ればせながら見ました。僕が作品から感じ取った内容をを言葉として表現すると、

社会の理不尽さと、自分の正義を貫く人たちの葛藤の物語

という感じ。

良い映画だったか、悪い映画だったかを問われるのであれば最高に良い映画だったと心の底から言えます。僕の人生でトップを争うほどに、ズシッと心に衝撃を与えてきた作品。

今回はこの衝動が冷めないうちに、映画「天気の子」を見て感じたこと、考えたことをまとめていきます。

※ネタバレを含みます

映画「天気の子」のあらすじ

本作品の主人公「森嶋帆高」は離島にある家から飛び出し、東京にやってきた。ただ、もちろんお金に余裕があるわけでもなくすぐに貧困に。

生活は絶望的。毎日容赦なく降りしきる雨。

そんな中、帆高は一人の少女に出会う。彼女もまた、深い事情により割の良い仕事を探していた。

そしてその少女には不思議な力が宿る。

「ねぇ、今から晴れるよ」

少女が祈るとだんだんと雨は止み、太陽の光が差し込んでくる。そう、彼女は天気を自在にコントロールできる絶対的な”晴れ女”だった。

映画「天気の子」の感動ポイント

天気の子を見て、僕が率直に感じた感動ポイントとお話します。ざっとまとめると、こんな感じ。

  • 社会の理不尽さと戦いそれぞれの正義に突き進む
  • 光の描写がきれい
  • 「君の名は。」キャラクターも多数登場

ひとつずつお話していきますね。

社会の理不尽さと戦い、それぞれの正義に突き進む

社会の理不尽さ

社会に逆らってでも自分の正義を突き進む登場人物

この映画でグッと心にボディブローを与えてくるもの、それは上位2つの描写です。

ネタバレになりますが、主人公の帆高がヒロインの陽菜を助け出そうとするシーンは涙なしでは見られません…。世界を救うために自分で消えることを選んだ陽菜と、消えた陽菜にもう1度会いたい帆高。

たとえ警察に逮捕されようと、今後の人生が狂おうと、どれだけの人間に迷惑をかけようと、一人の人を助けたい、会いたいという行動を迷わず選択した帆高のがむしゃらな姿には心打たれます。

そして、その手助けをした須賀さんや夏美、凪に心の底から震わされました。

 

「社会の理不尽さに正面から挑み、自分を犠牲に、他人を犠牲に、愛する人を助ける。」

 

ぶっちゃけ、これが僕がこの映画から受け取った全て。

もはや僕としては帆高の選択によって東京が沈んだことなんてどうでもよくて、帆高が帆高の信じる正義に従って愛する人救い出す純粋すぎる心に涙が溢れました。

光の描写がきれい

新海誠監督の映画の特徴でもありますが、今回の天気の子でも光の描写はとてもきれいです。心が洗われるよう。

言葉で説明するよりも、上の動画を見てみてください。

「君の名は」キャラクターも登場する

ネタバレになるので詳しくは話しませんが、話題になった前作「君の名は。」に登場したキャラクター達も一部本作品中に登場します。

君の名は。も見た方はさらに別の角度でも楽しめる作品となっています。

ちなみに主要キャラクターの瀧や三葉以外も登場しますので、よく目を凝らして見てみてくださいね。

天気の子のマイナスポイント

映画を見て、ネガティブな感情を受けたポイントはぶっちゃけありません。

ネット上でのレビューを見てみると、

  • 終わり方が不満
  • 映像と音楽は美しいけど内容が・・・

という評価を与えている人も少なくないですが、僕としては映像や音楽の美しさを遥かに超えるメッセージ性と感動を受けました。

一人の女性をまっすぐ愛する純粋さと自分への素直さ。

他人の犠牲をいとわない選択。

これが僕にはグサッと刺さったのですが、逆に同じポイントを違う切り口で見る人も多く異なった感想を持つようでした。

「天気の子」は世の中の理不尽さ、厳しさ、狂気さをリアルに表現している

この映画は単純なハッピーエンドで終わらず、少し心に引っかかる要素も残して終わります。その他にも、世の中の理不尽さ、厳しさ、狂気さがリアルに表現されている作品です。

リアル過ぎてみぞおちを殴られるような、そんな鈍い衝撃も受けるでしょう。ただ、だからこそ登場人物に人間味が溢れ、泥臭く生きる姿に惹き込まれます。

この現実とも状況がリンクする場面もありますし、映画を見ながらいろいろなことが頭の中を駆け巡ります。

現実世界で変に見える人もそれぞれの正義を掲げている

現実世界でも時々「この人なんだかおかしいな」という人はいますよね。

  • 挙動がおかしい人
  • 発言がおかしい人

など。

だけど、そのような人たちも何か自分の中に譲れない正義があって、それを貫くために必死にがむしゃらになっているのではないかと思うようになりました。

作品中にも主人公の帆高が線路の中を走り続けたり、警察に銃を向けたりと、外から見たら完全に”変質者”でしかない行動をシーンがあります。

もちろんそれらの行動は陽菜を助けるためであり、それが帆高にとっての正義だったんですよね。

現実世界にも”変質者”に見える人はたくさんいます。彼らは痛ましい事件を起こすこともあります。当然、他人の命を奪う行為は許されないですが、そういった事件を起こす人たちにも何か自分の中で決して譲れない正義があって、それに従った行動の結果なのかなーと、別の角度での考えも頭をよぎります。

周りの目は、何も知らない目。

いざ自分の正義に触れる何かがあった場合、だれもが全てを犠牲にそれを守ろうとするのかもしれません。

映画「天気の子」は人によって感じ取り方が変わる物語

今回の作品「天気の子」ですが、本当に見た人によって感じ方、感想が変わるのも非常に面白いポイント。

僕の感想としては上記の通りなのですが、ザックリ言うと「スッキリ」したんです。帆高や陽菜、須賀さんや夏美、凪の行動には100%共感でき、理不尽な世の中をブッ飛ばしたかのような爽快感さえありました。

 

僕の感じ方とは逆に、終始見ているのが辛かったと感じるパターンも。

本人いわく「終わり方は好きだし何回でも見たいけど苦しい」とのこと。

 

男女での差もありそう。

まとめ:「自分の正義を貫け」というメッセージ性を感じた映画だった

天気の子を見ての感想を書いてきました。

僕の評価としては最高の映画というものでして、映像、音楽、ストーリーに至るまで不満は一切ありません。そして天気の子から感じたメッセージとしては、

「自分の正義を貫け」

ということ。

たとえ周囲に反対されたとしても、たとえ犯罪者になったとしても、たとえ関係ない人の生活を巻き込んだとしても、自分の信じたことは貫き通せ!というメッセージ性を強く感じました。
※実際は犯罪者になっちゃだめですよ

作品中では帆高の正義として“絶対に陽菜を助ける”というものでしたが、他にも当てはまるのではないかなと。

1つの映画から受ける衝撃は人それぞれなので必ずしも僕と同じ感想を持つか分かりませんが、一例としてこういった考えに至った人もいるんだなと思っていたただければなと思います。

 

ぜひ映画「天気の子」は映画館で見てほしい。

巨大スクリーンと大音響の中、作品に心の底から浸ってほしい。

本気でそう思える映画でした。

劇場での公開は8月中旬までと思われますので、気になっている方は見逃さないように早めに行くことをおすすめします。

また、今は前作「君の名は。」がネットで配信されていますので、まだ見たことない方はこちらもぜひ。